アメリカ特許法改正の状況

英語の勉強も兼ねてなるべく向こうのブログを見ようと思っているのですが、米国の特許法改正に関してはなかなか進展しないようですね……




A prominent Israeli commentator has added his voice to the growing chorus of objections to the patent "reform" bill under consideration by the Senate (S. 1145).

Patent Docs: U.S Patent "Reform" Bill Worries Israelis から引用

あちこちから反対の声が上がっている、っていうスタンスの記事ばかり目にしているような気がします。




 米特許法改正案(S.1145)に反対する動きが広まっている。新たに加わったのは、Patent Office Professional Associationやアメリカ鉄鋼労働者合同組合を始めとする14の大手労働組合

IP NEXT ニュース / 米特許法改正案、新たに14の労働組合が反対を表明 から引用

といった記事や、




 米国のバイオテクノロジーの業界団体「Biotechnology Industry Organization(BIO)」が14日に新しい調査報告書を発表した。報告書を執筆した2人の専門家は、現在米国議会で懸案の特許法改正案でいくつか論議を呼んでいる規定は、特許関連の費用とリスクを急増させ、技術開発を害し、米国経済に重大な影響を及ぼす危険があると結論づけている。

IP NEXT ニュース / 米特許法改正案は米国経済を弱体化、バイオ団体が主張 から引用

などなど。
ブッシュ大統領も反対の意向を示してましたしね。
http://kyozetsuriyu.x0.com/article/10591726.html

一番反対の声は、損害賠償の制限のところでしょうか。日本人からするとありがたい改定なんですけどね。
公開制度の例外をなくすという件についても結構反対の声があるんですね。日本にいると、今や世界標準かと思ってしまっていたのですが……
意外と先願主義への移行には反対意見が強くないようにも思うんですが……


上の労働組合の声明文は頑張って読んでみたんですが、完全に米国のエゴむき出しで、ため息が出てしまいました。

発展途上国に知的財産の整備をさせておいて、ほとんど自国のためになんかならない、外国企業を守るためだけの特許制度を整備させておきながら、お前の国は自分のエゴで「特殊な」特許制度を守ってるのかと。

でも、よく考えてみると、とにかく「米国の利益」で一貫してるんですよね、考え方が。「諸外国がそうしている」とかいうのがいろいろな政策や流行に取り入れられがちな日本に比べると、ある意味徹底しているのかもしれませんね。

だいたい、日本を始め諸外国が待ち望んでいる改定なんて、当の米国自体にとっては必ずしもありがたくない改定である可能性が高いですよね。考えてみれば。

大統領選挙が終わらないと、この改定法案に関しては進展がないんでしょうかね……